社会保険労務士資格を取得しようと思った理由

私は2014年まで人材サービス企業に20年以上勤務し、主に営業として実績を残してきたつもりです。人材派遣会社、人材紹介会社数社を経験してきました。最終的には会社役員として営業を統括して人材事業全般を任されるまでにはなっておりました。しかしながら私は役員とはいえ執行役員でしたし、雇われの身で自分の会社では当然ながらなかったのです。事業を動かす、経営を行うというのは非常にやりがいのあった仕事で非常に充実はしていたのですが、最終的には会社オーナーとの軋轢などから自身が結果を出してもオーナー社長はいい顔をしなかったり、社内政治的なことに巻き込まれたりといった状態が長く続きました。

私のビジネスの目的は、当初から「立派な経営者になる」という事を目標に仕事をしてきましたので、社会人人生も20年を経過したあたりから「独立」という事が頭の中をちらつきました。そんな最中いよいよオーナー社長との意見の大きな相違から会社を去る決断をしました、本音を言えばもう少し資金を貯めたり、地盤を強化してから「独立」という事を実行したかったのですが、人間関係のこじれというのは待ってはくれません。そんな状況でこれまでの人脈やネットワークそしてお世話になってきたお客様も少なからずございましたので、とにかく自分自身で会社を設立してみようといわば見切り発車的に人材紹介会社を立ち上げました。

当然ながら貯蓄もさほどなく、借金を背負ってのスタート。人材では私についてきてくれた方もおり、それは大きな財産となりました。一人で事業をスタートするより複数人で立ち上げたほうが何倍の勇気ももらえるし、経営者は孤独になりがちというのもあるがそれを相談してゼロから事業を開始できたのは本当に恵まれていると感じた次第です。

しかしながら当初は、決まると思ったものも最終的には流れ(人材ビジネスでは、ご本人が最終的に入社の意思を取り消せばすべては水の泡で、オールオアナッシングの世界なのです)などもあり、夜中に突然飛び起きてしまう事などもあり、会社設立のスタートアップ時の苦しさを存分に味わいました。

また、今までは大手といわれるような企業にも属してきましたので、会社の看板の力そしてある程度の組織の営業部長や事業部長、取締執行役員などの肩書も実は大きかったことを痛感しました。いくら代表取締役となったとは言え、できたばかりの会社の社長は社会的地位がほとんどないに等しいのです。これは私を何かに駆り立てました。もちろん事業を成功させること、会社を大きくしていくことももちろんですが、何か社会的地位を大きく向上させたいという気持ちになったのも事実です。

そこで国家資格の取得を検討しました、会社のトップがお客様であることも多かったのと、採用という切り口で企業の経営課題の解決のきっかけを作ったりもしていますので、「中小企業診断士」か?。それより私共人材サービス企業のお客様は人事部がお相手ですので、派遣法や労働基準法などにはある程度理解をしていたつもりです、またこれまで採用支援を行う中でも労務管理の悩みを打ち明けられても、そこは専門外で満額の回答は出来ませんでした。これだと思って、「社会保険労務士」の資格を取ろう!人材サービスの社長兼労務相談もできる社会保険労務士になれば、お取引にハイブリッド二刀流のさらなる質の高いコンサルテーションが実現できると考え、難関国家資格である社労士に挑戦することとなりました。